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 プロフィール

高山 恵
1968年福岡生まれ。じゃらん九州版の編集部を経て旅行ライターに。温泉マイスター・温泉観光士。訪れた温泉は1000軒(たぶん)、実際に泊まった宿泊施設の数は九州の温泉宿を中心に300超。大人のウォーカーで「温泉自腹ライター高山恵のこんな湯宿に泊まりたい」を連載中。編著は「温泉旅館で眠りたい(西日本新聞社)」、「ぶらり湯のまち九州(山と渓谷社)」。

▽温泉ライター高山恵のHP
http://onsenmattari.web.fc2.com/


温泉旅館で眠りたい。
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温泉の乱開発で泉質までもが変わる!?

 別府で行われた「豊かな温泉資源を未来に継承する別府地域懇談会」に参加してまいりました。


 温泉マイスター・温泉観光士の取得の際にも講義を受けさせていただきました、温泉科学の権威・京都大学の由佐悠紀名誉教授による講演を拝聴させていただいたのですが、今回びっくりしたことが主に2点ありました。


1.別府の湯けむりは昔はなかった!


別府の湯けむり""



 別府の代表的景観といえば湯けむり。別府といえば、幾筋にも立ち上る真っ白な湯けむりを思い出す人は私以外にも多いと思います。ですが、この湯けむり、1960年以前にはなかったというのです(別府地元の方の証言もあり)。別府のもともとの自噴している泉源は100くらいだったといいます。今は2500あまりあるのですが、そのほとんどは掘削&ポンプアップしている泉源。その掘削は明治時代から始まったのですが、1960年代により熱い湯を求めて沸騰泉開発がさかんに行われ、それ以来、もくもくと白煙をあげるやぐらがお目見えしたそうです。この沸騰泉開発があとで意外な影響を及ぼすのです。


2.泉質がわずか10年の間に高温の食塩泉からぬるめの炭酸水素塩泉に変化!


 別府南部(別府駅周辺あたりですね)はかつて55度くらいの食塩泉が湧出していたが、1975年から1986年の10年ほどの間で、cl濃度が低下、逆にHCO3濃度が増加し、泉温も40度台に下がった。つまり高温の食塩泉から低温の炭酸水素塩泉に急激に変化したということです。


別府地域懇談会1
別府地域懇談会2



 深部熱水(食塩水)の乱採取により、泉脈の圧力が低下し、浅い層にある炭酸水素塩泉が深い層へと浸透していったと考えられるということですが、温泉の開発によって、泉質が変わってしまった実例ということで恐ろしく思いました(個人的には炭酸水素塩泉は好きなんですが)。


 他にも、「採取量」と「湧出量」は本来使いわけるべき語句なのに混同されている、という提言もあり、温泉の記事に携わる者として非常に勉強になりました。


 別府といえば日本一、世界でも第2位の湧出量(1日あたり)を誇る市ですが、その別府ですら乱開発によるさまざまな影響が出てきている。温泉は無尽蔵にあるのではなく、有限の資源であり、いつまでも楽しみたければ、「保護」しなくてはならないということですね。


 ところで、時間制限で質問できなかったこと。温泉は地面に雨水が浸透して、地熱と出会って出てきたものなのですが……。別府では雨水が浸透し、地熱と出会って温泉となって湧出するのにだいたい50年くらいかかるといいます。


 つまり今温泉として出会っているのは1960年頃に雨として降った水だということになります。1960年といえば、その後高度成長期にあたる頃の年代ですね。おそらく道路はつぎつぎと舗装され、河川は護岸工事が進み、農地はつぶされて宅地になり…… 地面に浸透する雨水が急激に減っていったのではないかと考えられます。


 もしかすると今から、30年くらい後にかけて、温泉の湧出量がどんどん減っていくのでは……? こわいです。












温泉談義 | 投稿者 antena blog 11:35 | コメント(0)| トラックバック(0)
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